奴の名は

「怪奇なものを育てて眺めていくのがおれの生きがいなのだよ」

鬼太郎夜話でねずみ男が吸血木を育てていたときのセリフ。本書が手元にないもので、細かいところは違うかもしれないけど、凡そおれがやってきたことの源流にある言葉だ。
それで育てすぎて手に負えなくなったやつがいた。「誰なんだ」と聞かれても、人物名は明かさない。「あいつ」で表現する。

あいつと仲が良かった時代のSNSでのやり取りを、某単細胞生物名を模したブログにアップしたところ、「本サイトに相応しくない、健全な運営に反する内容」とのことで即削除された。不健全なそいつの息遣いは下記のリンクを読んで頂ければわかると思う。

hotcake-mix.blog.jp

よくつるんでは暴言を吐いてくれて、その度におれは腹を抱えて笑ったもんだった。

電車で席が空いたときなど大声で「おい、あのブスの隣が空いたから座ろうぜ」などと誘導してくれた。一緒に飯を食ってるときなぞ、スカトロジーの魅力を話してくれて「肛門から直接食うのが一番だよ」などと大声で言うもんだから、隣の若い女性客がそくさと席を立つこともあった。
今更言うまでもないことなのだけど、とてつもなく異常性癖なのだ。

また、顔立ちさえ整っていれば性別を超えて性の対象ともしたもんで、一時期交際していた相手のことを「おれの付き合ってるやつはな、すっげえキレイなんだけどチンポ生えてんだよ」などとよだれを垂らしながら彼なりの惚気話をしてくれた。ちなみに、その付き合っていた相手は某総合格闘家との性交渉もあったようで、それも自慢の種にしていた。残念なことは、あいつが格闘技業界にてんで疎いためにその格闘家が誰であるのかイマイチよくわからないことだ。柔道出身でオリンピックに出場もしている、PRIDEでもお馴染みだそうで、そうなると三人に絞られるのだけど。。。

まあそんな性癖なので、近場で性交渉できそうな相手であれば片っ端から手を出しまくっていた。とある男子学生のことでさえ、「女装してたらやれるなあ・・・」と呟いていたほどだ。それでも実はあいつはLGBTとは無関係で、むしろ汎ゆるマイノリティに対してはここで文書化するとブログ自体が削除されかねないレベルの罵倒をしていた(笑)。再度言うが、異常性癖なだけなのだ。

面白すぎたので煽ったというところはあった。反省も後悔もしていない。

例えば、あいつよりモテるヤツがいたとする。そうすると、「あの木偶の坊なんかより、おれの方が知的だし、ちんぽだってぶっといんだよ。あの雌豚みてえなやつはおれに相応しいんだよ、なあそう思うだろ」なんて言ってくる。まあ、おれも付き合い方を知ってたんで「そりゃ君のように知的な人物が遺伝子を残そうとするのは当然のことだよ」と言ってあげてた。どうでもいいが、あいつは肛交をよく好んだので、遺伝子を残すとかどうというのは実は関係がなかったりする(笑)。褒め方のツボは抑えていたつもりだったので、あいつの言動を肯定する度に猿が温泉に使ったような気持ちよさそうな顔をするのが面白かった。

しかしもう、おれとあいつは絶縁している。あいつとは実生活のみならず、SNSでも付き合いが出来たのがおれとの絶縁の契機となった。おれのアカウントで友人となっていた女性すべてに手を出そうとしていたことがわかったからだ。やんわりとした拒否であれば合意とみなし、行為に及んでいたのは知っていたが、まさかここまでとは思ってなかったのだ。こんなおれだけど、人間関係には潔癖症なのだ。人間関係の構築にだらしなく手を出す人間は容赦なく切る。面白がっていたのが、それどころではなかった。どこかの誰かと一発ヤッて話のネタにするなら笑っていられたのだが、おれの交友する領域に侵食する浅ましさには我慢ができなかった。

そんなわけで、もうこの変態性欲者とおれは絶縁状態になっている。おれの方から切ったんだけどね。これもまた、あいつに対して無責任なのはわかっているし、少なからずの罪悪感はある。おれ自信も相当おかしいのは自覚している。だけど反省も後悔もしていない(大事なことなので二回言いました)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


さてさて、前置きが長くなったけど、本当に言いたいことはこれからなのだ。
あいつにまつわる、本タイトルに意味ありげな話だ。

あいつは性交渉に応じなかった相手のことを罵倒していた。「あのブス、バッタモンの深キョンみてえな顔しやがって」だの「痴女みてえな顔のくせに」だの「あのブスは顔にズタ袋したらヤれる」だのと。

その中でも、とくにずうっと罵倒していた相手がいたのだ。

おれもあいつも大学生だった当時、サブカル女子として一部(といってもほんの一部)で知られていた女性が居た。「ゴシップか反権力か」などと言われ小林よしのり等の多方面に喧嘩を売った雑誌(今は廃刊)でスタッフをやっていたり、「女子高生をフィールドワーク」などと当時有名だった社会学者と関係があったという人だ。

それがいくら迫ったところで相手にしてもらえなかったんだと言う。

あいつは大学卒業後も何年にもわたり、「あの女やらせてくれなかったんだよ。ふざけんなよ、あのブス。実はチンポが生えてたら面白いな」と悔しさを噛み締め罵倒していた。

その女性が、本タイトルに類似して世界的なヒットをしたアニメ映画の監督の奥さんになったと知ったのはつい先日のこと。